下顎骨の内部には下歯槽管というトンネルのような管が走行しています。この内部には、下歯槽神経、下歯槽動脈、下歯槽静脈などが走行しています。この中で、インプラントにおいて最も留意し治療しなければならないのが、下歯槽神経との距離です。下歯槽神経は下顎奥歯の痛覚、左右片側の下唇およびオトガイ部の皮膚の知覚を司る神経で、この神経を損傷すると、下唇およびオトガイ部が麻酔がかかったように痺れてしまいます。これを避けるために、埋入位置は下歯槽管から約2mm以上離れていなければなりませんが、部位によってはそれだけの十分な距離が保てないこともあります。このような時に、インプラントの安定を図るため、「傾斜埋入法」「部分骨移植」「ブロック骨移植」などの手法をとります。「傾斜埋入法」は、下歯槽神経およびオトガイ孔を避け、前方方向に傾斜して埋入します。「部分骨移植」は、埋入部の部分的な骨の不足を自家骨および人工骨によって補います。GBR(骨再生誘導法)を併用することもあります。「ブロック骨移植」は、垂直的、水平的骨造成を図るため、口腔内の他の部位からブロック骨を移植します。移植骨が定着した後、そこにインプラントを埋入します。

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